わたしの幸せな結婚が、どんな漫画なのかを一言で言い合わらすなら「それぞれがそれぞれの形で幸せになって欲しい」。そう願わずにはいられない純情ラブストリーです。
この作品は、異能を持たつずに産まれてきた美世と能力を開花させた義母妹とその母に虐げられ、好きだった人も義母妹と結婚することになり冷酷無慈悲と恐れられている久堂家に追い出されるように嫁がされる…
ここまで聞くと幸せな結婚というタイトルからあまりにも遠い内容ですが、読み進めていくうちに美世と清霞がお互い手探りの状態でも、少しずつ惹かれ合い向き合って行く姿が儚くも美しく感じました。
義母妹の香耶もいくら能力を開花できなかった義母姉であってもなぜあそこまで人以下の様な扱いをするのか。
最初はよくある出来る子優遇な家庭の話かと思えば、義母と実父へ元々好かれあっていた者同士だったのに、家の都合で引き離され能力持ちの美世の母と結婚させられ産まれたのが美世です。
美世の実母亡き後後妻という形で入ったのが香耶の実母で引き離された原因になっていた美世の実母を相当恨みその感情を娘の香耶に押し付けていたから香耶も曲がった性格になってしまったと読み取れて、ある意味香耶も被害者な部分もあると思います。
母親の個人的な恨みの感情と、次期当主という責任がある香耶を完璧に育て美世のようになっては駄目だと厳しく教育された環境に幼い頃からいたら誰でも性格歪む気がします。
前妻から産まれた美世と後妻から産まれた香耶は何も悪くなく、親の都合や感情で勝手に恨まれ虐げられ2人とも被害者であると同時に、それぞれ可哀想だなと感じこれからはそれぞれの幸せの形を見つけて欲しいです。
いきなり漫画を購入して「自分に合わないな」となることってありませんか?
ちょっと手を出すのはためらっちゃうけど、、という人は、私の幸せな結婚の完結までネタバレでまとめられているので、ぜひ参考にされてください♪
絵が綺麗
絵柄が儚い細い線のようなのに、登場人物の人柄や風景が分かりやすく描かれているのでとても読みやすく物語に入りやすくなっています。小さな表情の変化も読者側に分かりやすいので美世が小さく笑うシーンを見るとこちらまであぁ、美世は嬉しいんだなと温かい気持ちになります。
和風×ファンタジーの新しい設定
時代は明治~大正の時代を背景に物語は書かれていますが、ファンタジーとその時代の掛け合わせた漫画はバトル漫画ではよく見かけますが、この作品はそうではなくあくまで結婚した2人の物語なのであまり見た事のない設定の漫画なのに話が複雑でないので読みやすいです。
清霞と美世の心の変化の描写が丁寧
美世は生家で実父にも愛されず義母と義母妹には使用人のような扱いをされ傍から見たら不幸で可哀想な環境にいるのに、あえてその運命に逆らわず素直に従っていましたが、今まで貰えなかった幸せを取り戻すかのように幸せになっていく様子に応援したくなる気持ちや安心感を感じ、清霞も最初嫌な奴だと思っていたけれどお互いどうしていいのか分からず手探りの状態ながら相手の心に向き合い気遣い、夫婦のかたちを作ろうとしている様子がとにかく丁寧でゆっくり描かれているのでドキドキハラハラすることなく安心して作品を読めます。
自分の意志をしっかりもつ美世
生家にいた頃、自分の境遇を素直に受け入れ香耶と義母に逆らうことなく従っていた美世ですが、美世が自分より優れ幸になることを許せない2人は美世を誘拐し暴行し久堂との婚約を破棄しろと脅迫しますが美世は自分の意思でしっかり断ります。
今までなら自分が受け入れ返事さえすれば丸く収まると諦めてきた美世にとって大きな変化が起きたと同時に政略結婚であっても、清霞に惹かれている素直な心が見えて、その心の強さと同時に幸せになって欲しいと思わずにはいられません。